頭のケガでいちばん軽いのは、頭皮の下の出血(たんこぶ)で次いで、頭蓋骨骨折があげられます。外力がさらに内に及ぶと、脳挫傷、頭蓋内出血をおこすことになります。
脳は頭蓋骨で保護され、三つの膜で包まれているのでそう簡単に傷つくことはありません。頭を打っても気を失わなかった場合には一応心配のない状態といえます。頭のケガをした直後から気を失った場合は気を失っている時間が数時間以上続くと、脳に傷がついている可能性が大きいので危険な状態です。気を失うと同時に、呼吸が不規則になり、脈拍が弱くなるときは大変危険な状態です。ひきつけ(テンカン)をおこすときにも、脳挫傷か血腫による脳圧迫が多いのです。命とりになるような血腫はだいたい早くて数時間からおそくて3日の間におこりますので、3日間は注意を要します。
頭部外傷
頭部外傷
慢性硬膜下血腫
慢性硬膜下血腫は頭のケガをして、1~3ヶ月後に症状があらわれる病気で、大部分は50才以上の壮年、老年に発生します。
次のような症状があらわれます
1.血腫が大きくなると頭蓋内圧亢進をきたし頭痛をおぼえる。
2.血腫により脳が圧迫され、物覚えが悪くなったりさまざまな精神症状を示す。
3.血腫による脳への圧迫のため、片マヒ、失語症などの症状をおこす。
治療は頭蓋骨に小さな穴をあけ、そこから血腫を洗浄すると治ります。